こんにちは。院長のいつきです。
今年も瞬く間に過ぎていき、あっという間に、12月になりました。街はクリスマスのイルミネーションに彩られ、心が弾む季節ですね。
年末に向けて、体調管理と同じように、「お口の健康」も見直してみましょう。
今日は歯磨きの際の出血についてお話ししたいと思います。
皆さん、歯磨きをしていたら歯ぐきから出血したという経験はありませんか。
歯磨きで出血する主な原因は、歯周病(歯肉炎)です。
磨き残した歯垢の中で細菌が繁殖して歯ぐきが炎症を起こしているため、その腫れた歯ぐきに歯ブラシが当たり、刺激によって出血を引き起こすのです。健康な歯ぐきはピンク色をして引き締まっていますが、炎症を起こした歯ぐきはぶよぶよとした感じで赤く腫れている状態になります。
健康な歯ぐきの場合、歯磨きで出血することは、ほぼありません。
そのため、1週間以上出血が続いたり、何もしなくても出血する場合などは、早めに歯科医院で診察を受けましょう。歯科医院での歯石取り(クリーニング)で改善することが多いです。
また、歯ぐきからの出血は、歯周病の初期の状態です。
歯周病の怖いところは、自覚症状がないことです。気づかずに、どんどん進行してしまいます。
歯周病は「沈黙の病気(Silent Disease)」とも呼ばれており、症状に気づいたころには、かなり進行しており、手遅れになると歯がグラグラ揺れ始め、最終的には抜けてしまいます。
初期には、ほとんど痛みがなく、自覚症状が出るのは中~後期です。歯ぐきの腫れ、出血、口臭、歯が揺れるなどの症状が出る頃には、すでに骨が溶け始めていることが多いです。
毎日の小さな磨き残しや歯石の蓄積で、ゆっくり悪化しますが、自分では気づきにくいです。
だからこそ、早期発見と予防対策が大切です。
・定期検診(3~6ヶ月に1回)
・歯石除去
・正しいブラッシング
・フロス・歯間ブラシの併用
これらを行うことで、多くは予防・改善ができます。
歯磨きのときに出血して驚いた経験のある方は、血が出るのは強く歯を磨きすぎたせいかもと思われるかもしれません。
しかし、そこで歯磨きをやめてしまうのは逆効果です。ゴシゴシと乱暴に磨くと、歯ぐきを傷つけてしまう可能性があるので、力を入れず、歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨くようにしましょう。
しっかりと丁寧に歯磨きをしないと、歯垢がどんどんたまって、その中に細菌が繁殖するため、歯周病の悪化のリスクが高くなります。
歯垢がたまりやすいのは、歯と歯の隙間や、歯と歯ぐきの間で、その部分に、たまった歯垢をそのままにしておくと、歯周病菌は歯と歯ぐきの歯周ポケットをどんどん深くしていきます。
健康な歯ぐきであれば、歯周ポケットは1~2mm程度、歯肉炎(歯周病初期)は歯周ポケットが3~4mm、歯周病(中等度~重度の歯周病)は歯周ポケットが5mm以上になります。
歯周ポケットの内部の歯垢や歯石は歯ブラシでは、完全に除去することが難しいため、歯磨きの際に歯ぐきから出血する方は、まず歯科医院で定期検診を受けることがとても大切です。
歯磨きのときに出血するというのは、必ず何かしら原因があります。
歯周病が原因の場合、正しいブラッシングで歯垢を取り除き、症状が悪化しないためにも定期的なクリーニングを受けることが重要です。
しかし、歯ぐきからの出血が必ずしも歯肉炎や歯周病とは限りません。特に血液関係の病気の場合は、歯周病でなくても歯ぐきから出血することがあります。歯ぐきからの出血の他に、あざができやすい、鼻血が出やすいなどの症状が起こることもあるため、まずは歯ぐきからの出血の原因が歯周病なのか、それとも他に原因があるのか、歯科医院で診察をしてもらいましょう。
当院は、薬院駅から徒歩5分の歯医者です。安心して通っていただけるよう、丁寧な治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
Instagramもしていますので、そちらの方もフォロー頂けますと幸いです。
shiroganeitsuki.dc