COLUMN コラム

2026.10.20

秋冬はお口も乾燥する?知らないと怖い「唾液」の大切な働き

こんにちは。院長のいつきです。

木々が色づき、秋の深まりとともに空気が冷たく乾燥する季節になりました。これから冬に向けて暖房を使う機会も増え、お肌や喉の乾燥が気になり始める方も多いのではないでしょうか。

実は、この時期に気をつけたいのは、お肌や喉だけではありません。お口の中も乾燥しやすくなることをご存じですか?

「最近、口の中がネバネバする」「朝起きると口がカラカラになっている」「以前より口臭が気になる」……。そんな変化を感じていたら、お口の乾燥が関係しているかもしれません。

お口の乾燥は、単に不快なだけではなく、むし歯や歯周病など、お口の健康にも影響を与えることがあります。今回は、意外と知られていない唾液の働きと、秋冬に気をつけたいお口の乾燥についてお話しします。

■ 唾液は、ただのお口の水分ではありません!

普段、唾液の存在を意識することはあまりないかもしれません。しかし、唾液は私たちのお口の健康を守るために、さまざまな重要な役割を担っています。

まず一つ目は、**お口の中を洗い流す「自浄作用」**です。

食事をすると、食べかすや細菌などがお口の中に残ります。唾液はこれらを洗い流し、お口の中を清潔に保つ手助けをしています。

二つ目は、歯を守る働きです。

食事のあと、お口の中では細菌が糖分などを利用して酸をつくり、歯の表面からミネラルが溶け出しやすくなります。これを「脱灰(だっかい)」といいます。

唾液には、お口の中の酸を中和する働きがあり、さらに、溶け出したミネラルが歯に戻る「再石灰化」を助けます。つまり、唾液はむし歯になりにくいお口の環境を保つために欠かせない存在なのです。

三つ目は、食事を助ける働きです。唾液は食べ物を湿らせて飲み込みやすくし、消化を助ける酵素も含んでいます。

このように、唾液はお口の中を潤すだけでなく、歯を守り、食事や会話を支える大切な役割を果たしています。

■ お口が乾燥すると、むし歯や口臭のリスクが高まる?

唾液の分泌量が減ると、お口の中を洗い流す力や、酸を中和する力が弱まります。

その結果、むし歯のリスクが高まることがあります。特に、歯と歯の間や歯の根元などは、汚れがたまりやすく注意が必要です。

また、歯周病の原因となる細菌が増えやすい環境につながる場合もあり、口臭が気になりやすくなることもあります。

さらに、乾燥によって舌や頬の内側などの粘膜が傷つきやすくなり、ヒリヒリした痛みを感じたり、食べ物が飲み込みにくくなったりすることもあります。

特に注意したいのが、年齢とともに歯ぐきが下がり、歯の根元が露出している方です。歯の根元は、歯の頭の部分を覆うエナメル質よりも酸に弱いため、唾液の保護作用が低下すると、むし歯のリスクが高まります。

お口の乾燥を「少し不快なだけ」と軽く考えず、歯や粘膜からのサインとして受け止めることが大切です。

■ 秋冬にお口が乾燥しやすくなるのはなぜ?

お口の乾燥には、季節ならではの要因も関係しています。

一つは、空気の乾燥です。秋から冬にかけて湿度が低くなると、皮膚だけでなく、お口や喉の乾燥も感じやすくなります。暖房を使用する室内では、湿度がさらに低下することもあります。

もう一つは、口呼吸です。

鼻が詰まっていたり、寝ている間に口が開いていたりすると、口の中の水分が蒸発しやすくなります。朝起きたときに口が乾いている方は、睡眠中の口呼吸が関係しているかもしれません。

また、唾液の分泌量は加齢やストレス、脱水、服用している薬などによっても変化します。血圧の薬やアレルギーの薬など、さまざまな薬の副作用として口の乾燥が現れることもあります。

乾燥が長く続く場合は、単に季節のせいと決めつけず、原因を確認することが大切です。

■ 今日からできる!お口の乾燥対策

お口の乾燥を防ぐために、日常生活でできることを取り入れてみましょう。

① こまめに水分を補給する

喉が渇く前から、少量ずつ水分を補給しましょう。ただし、糖分の多い飲み物を頻繁に飲むと、むし歯のリスクが高まるため、普段の水分補給には水や無糖のお茶がおすすめです。

② よく噛んで食べる

噛む刺激は唾液の分泌を促します。食事では一口ずつよく噛み、ゆっくり味わうことを意識しましょう。ガムを噛むことも唾液の分泌を促す方法の一つですが、むし歯予防の観点からは砂糖不使用のものを選ぶとよいでしょう。

③ 室内の湿度を調整する

暖房を使用するときは、加湿器などを活用して室内の湿度を適切に保ちましょう。寝室の乾燥対策も、朝のお口の不快感を軽減する助けになります。

④ お口のケアを丁寧に行う

乾燥しているときこそ、歯磨きや歯間ケアを丁寧に行いましょう。お口の乾燥が気になる方は、刺激の少ない保湿ジェルなどを活用する方法もあります。アルコールを含む洗口液などで刺激を感じる場合は、使用を控えるか、歯科医院で相談してみましょう。

■ お口の乾燥が続くときは、歯科医院へ

「水を飲んでもすぐに乾く」「食べ物が飲み込みにくい」「口の中がヒリヒリする」といった症状が続く場合は、歯科医院で相談することをおすすめします。

お口の乾燥にはさまざまな原因があり、生活習慣の見直しだけでは改善しない場合もあります。必要に応じて唾液の状態やお口の粘膜を確認し、適切な対策を考えることが大切です。

定期検診では、むし歯や歯周病のチェックに加え、歯石の除去や歯磨き方法の確認など、お口の健康を守るためのケアを受けられます。乾燥によってむし歯のリスクが高まっている場合も、早めに気づくことが予防につながります。

唾液は、毎日のお口の健康を陰で支えてくれる大切な存在です。

秋冬の乾燥が気になるこの季節、ご自身のお口の状態にも目を向けてみませんか?

いつまでもおいしく食べ、気持ちよく会話できる毎日のために、毎日のセルフケアと歯科医院での定期検診で、大切なお口の健康を守っていきましょう。

白金いつき歯科・矯正歯科は、薬院駅から徒歩5分の歯医者です。

むし歯や歯周病の治療だけでなく、健康で美しい口元を維持するために定期検診とクリーニングを行っています。未来の自分の笑顔のために、ぜひ一度お口のチェックを受けてみてください。あなたの未来の笑顔を守る第一歩を、今日から一緒に始めましょう。

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