COLUMN コラム

2025.06.14

歯の着色(原因と予防)

こんにちは。院長のいつきです。

雨の日が続いていますね。湿度の高い過ごしにくい日々ですが、美しく咲いた紫陽花もよく見かけるようになりました。

今回は歯の着色についてお話したいと多います。

定期検診の際に「歯が茶色いのが気になって..」と歯のクリーニングを希望される患者さまが多くいらっしゃいます。

歯の着色には大きく2つのタイプに分けられます。

歯の表面の層(エナメル質)に色素が沈着する「外因性」のものと、歯の内部が変色する「内因性」のものがあります。外因性の着色は皆様もご存知のようにステインとも呼ばれています。

今回は外因性の着色についてお話します。

主に食事習慣による着色によるもので着色がつきやすい代表的な飲食物をご紹介します。

〇コーヒーや紅茶(緑茶、ウーロン茶も)

コーヒーや紅茶にはポリフェノールの一種であるタンニンが含まれています。

タンニンは歯の表面に付着するためステインがつきます。コーヒーや紅茶を飲むとカップにも色がつきますよね。歯も同様に色がつくため、頻繁に飲む方は歯が黄ばんだり茶色くなりやすいです。

コーヒーや紅茶だけではなく、緑茶やウーロン茶にもタンニンが含まれているため、こちらも歯に着色汚れのつきやすい飲み物になります。またペットボトルに入っているものよりも茶葉から淹れたお茶の方が色素が濃くなるため茶渋が歯に付着しやすいと言われています。

お茶の中でタンニンが少ないものを選択するとしたら、ほうじ茶や麦茶から選ぶと良いでしょう。

〇ワイン

赤ワインにはタンニンやアントシアニンを含めたポリフェノールが多く含まれているため、飲むと唇の周りが黒ずんだりします。

さらに、赤ワインは一般的に酸性が強いため、お口の中が酸性に傾きます。酸性の状態は歯の表面の層を溶かし赤ワインに含まれるポリフェノールが着色を促進させます。

白ワインは直接的には歯に着色しませんが、赤ワインよりも酸性が強いため、他の飲食物による着色を促す可能性があります。

〇カレーやスパイス

カレーや一部のスパイスに含まれているカロテノイドは多くの野菜やスパイスに含まれている天然の色素です。特にオレンジや赤色の食品に多く含まれています。

カレーも酸性の性質を持っているため、食べるとお口の中が酸性に傾き、歯に着色汚れがつきやすいです。

〇柑橘類や酸性食品

前述の通り、歯は酸に弱いです。酸度が高いものを食べたり飲んだりすると一緒に摂取する飲食物の色が歯につきやすくなります。

また、タバコの煙に含まれているタール(ヤニ)も着色の原因となります。

タバコを吸っていると部屋の壁紙が黄色くなってしまうことがありますよね。それと同じ現象がお口の中で起きます。

タールは黒色でネバネバとしており、煙を通じて歯の表面に付着します。すると接着剤のように食べかすを吸いつけてしまいます。タバコには酸性成分も含まれているため、お口の中の酸性度が上がり、色素が定着しやすい環境を作り出します。

喫煙習慣がある方は、歯の表面に接着剤(タール)をつけている状態にあるため、着色原因になる飲食物を吸いつけてしまいます。

さらに歯に付着したタールは、普通の歯磨きでは落ちません。そのため喫煙者の歯の黄ばみは、より強く定着することになります。

また正しい歯磨きが出来ていない場合もお口の中に歯垢(プラーク)や着色汚れが残るために、歯の黄ばみの原因になります。

歯の着色を防ぐためには、

◇コーヒーなどの色素成分の含まれるものを飲食する前後には水を飲む。水は飲食物の色素を薄めるので、ステインの付着を軽減できます。また乾いているお口の中は、色素が定着しやすいので、ワインやコーヒーなどを飲む前に水で口を潤すことは歯の着色予防に効果的です。

また着色しやすい飲み物はストローを使用する。ストローの先端は前歯よりも奥に位置するため、飲み物が直接歯に触れにくくなり、着色成分が歯に触れる時間を短縮できます。

◇色素成分の強いものを飲食した後は、なるべく早めに歯磨きをする。歯磨きが難しい場合は、うがいだけでもする。

◇よく噛んで食べ、唾液の分泌を促す。唾液には汚れを洗い流す働きがあるため、唾液の分泌量が多いとより効果を期待できます。

◇ホワイトニング歯磨き粉を使う。

◇歯科医院でホワイトニングをする。

着色しにくい食事習慣や正しい歯磨きを実施することで色素を定着しにくくすることができますが、100%着色を防ぐことはできません。

また、こびりついた着色汚れは、どんなに自分で頑張っても全部を取り去ることは難しいです。セルフケアでは落としきれない着色汚れは、ほとんどのケースで歯科医院のクリーニングで除去することができます。

歯の定期的なクリーニングを受けられている場合は、ステインがつきにくくなる効果も期待できます。

歯の着色汚れに悩んでいる方は、お気軽に当院までご相談ください。

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