こんにちは。院長のいつきです。
毎日暑すぎる日々が続いていますね。外出する際は水分補給に加え、塩分補給、そして日傘や保冷対策などをしっかりして熱中症に気を付けましょう。
歯の治療において、皆さん「保険診療」や「自由(自費)診療」という言葉を聞いたことがあると思うのですが、今回は治療費に大きく関わる歯科の保険診療と自由診療についてお話します。
◎日本の歯科の保険制度について
日本では「国民皆保険制度」のもと、国民は全員何らかの公的医療保険に加入しています。
公的医療保険は色々と種類がありますが、多くの割合を占めているのが、国の財源で賄う国民健康保険なので、国側としても予算に限りがあり、そのため日常生活を支える基本的な治療以上のものは、保険診療が認められていません。
保険診療では、自己負担の割合は基本的には3割が多く、70歳以上の場合は収入によって1割~3割となっています。
アメリカでは、歯の治療費がとても高額だと聞いたことはありませんか?
アメリカには日本のような国民健康保険制度が存在しないため、個人で保険に入っていない人の治療費は全額自己負担となります。また保険に入っていても、補償内容によっては高額な自己負担が発生します。
一見すると日本のほうが治療を安価に受けられて良いと思われますが、保険診療での治療の場合は必要最低限の機能回復を目的とした治療で材料の制限などもあるため、ベストな治療というわけではない場合もあります。
日本の歯科で認められている保険診療の基本は、「機能回復のための最低限の治療」に限られます。
治療方法や使用する材料、治療期間までもが細かく決められています。ですから、見た目が良いものや機能性が高いもの、最先端の治療は保険適用外になります。よく患者様から『セラッミクやインプラントは自費にならないのですか?』と質問をいただくのですが、このような診療内容まで保険適用にしてしますと、おそらく国民全員の月々の国民健康保険料や税金の納付額が今よりも大きく増える可能性があります…。
むし歯の被せ物で一般的なものは、保険診療では、金銀パラジウム合金、いわゆる銀歯というモノです。
パラジウム合金は丈夫な素材ですが、経年劣化により、パラジウム合金を被せている歯は必ず将来むし歯になります。また、近年CAD/CAMという素材の強化プラスチックが保険適用になりました。一見白く良さそうですが、パラジウム合金よりも著しく強度や精度が劣っており、より再治療になる可能性があります。また歯の本数や噛み合わせの状態によっては、保険が適用できない場合もあります。
それ以外のセラミックやジルコニア、ゴールドでの修復を望む場合は自由診療になります。
セラミックは保険適用のプラスチックとは異なり、天然の歯のような透明感のある白さを表現できる耐久性、機能性にも優れた素材です。経年による劣化もほとんど無いため、しっかりとケアすれば長く使い続けることが可能です。
次に歯が無くなった場合について。保険診療においては入れ歯やブリッジを選択します。保険診療での入れ歯の場合は、歯茎の粘膜の上に取り外し式の人工歯とその床をのせる形態のため、違和感を感じやすく、しっかり噛めないなどの問題が出やすいです。
ブリッジ治療の場合は、失った歯の両隣の歯を削って支えにして、橋渡しのように長い被せ物を入れるのですが、両隣の歯にかかる負担が大きいのが難点です。
自由診療においてはインプラント治療を選択することができます。外科治療が必要になりますが、自分の歯のように食事することができ、周囲の残った歯の負担を軽減することで、お口全体の長持ちにつながります。
このように保険診療の場合、見た目の違いだけでなく歯の長持ちにも大きな差が出てきます。
被せ物では、銀歯=保険 セラミック=自費のような違いがありますが、根管治療においても保険診療と自由診療では大きな違いがあります。根管治療とは歯の根の内部にある神経や血管の治療のことですが、深いむし歯などで感染した神経を取り除き、歯の根っこを綺麗に洗浄、消毒し、最後に薬剤を詰めて密封します。当院では今現在自費の根管治療は行っておりませんが、近年自費診療を用いた根管治療の重要性が認められてきています。
根管治療の場合、保険診療では1回の治療時間が30分程度で5~6回、複雑な根っこの走行の場合はそれ以上の通院回数をかけて治療を行います。数か月かけて治療することが殆どです。
一方で自由診療の場合、60~90分という時間をかけて細やかな治療を行うことができ、通院回数は2~3回で1か月程度で治療が終わります。
根管治療は保険診療のように長期間かけて行うと、根管内に細菌を増殖させて再治療になるリスクがあります。また治療の間隔をあけてしまうと、再治療のリスクはさらに高くなるため、自由診療を選択することで時間の制限なく治療を行うことにより治療の成功率を上げることができます。
当院では保険診療、自由診療にかかわらず患者様の歯のためにマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)やラバーダム を併用し、根管治療を行い確実性の高い処置を心掛けておりますので、ご安心くださいね。
このように保険診療と自由診療はそれぞれメリット、デメリットがあります。
当院では患者様がどのようなことをお望みか、どのようなことを重要視しているのかを伺い、治療を行う前にしっかりと相談やカウンセリングの時間を設けております。最終的に判断されるのは患者様ご自身です。
当院はそのご判断を尊重し、より快適に過ごせるよう、できる限りお力添えをします。
また自由診療の金額を知りたい場合には、お気軽にお尋ねください。費用や治療内容をしっかりと確認してから、不明点を解決し納得いただいてからご希望の治療を行います。
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