こんにちは。院長のいつきです。
ステファンカーブという言葉を聞いたことはありますか?
ステファンカーブとは、食事後に口腔内でどれだけの時間、どの程度酸性の状態が続くかを示すグラフのことです。食事をするたびに、口腔内の環境がどのように変化しているかを理解することで虫歯予防に活かすことができます。
上写真のような歯と歯の間の虫歯なども、このステファンカーブをしっかりと理解することにより、防ぐことが可能です。
(日本歯科医師会ホームページより引用)
皆さんは一日に何回飲食をするでしょうか?
口腔内のpHは、普段はpH7の中性に保たれているのですが、何かを食べたり、飲んだりすると酸性に傾いていきます。pHとは、酸性とアルカリ性の度合いを表しており、7は中性、7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性です。このpH値は食事を取るごとに変化していきます。
ステファンカーブを見ると、食事をする度に脱灰(歯が溶ける)と再石灰化が繰り返し行われていることが分かります。ここで、間食が多いと再石灰化が起きるまでに、また脱灰がおきてしまい口腔内の酸性に傾く時間が長くなるため、むし歯になりやすい環境になってしまいます。
pH5.5以下になると私たちの歯は脱灰が始まります。脱灰とは、歯のエナメル質が溶け始めることで、この脱灰が繰り返されることにより、むし歯のリスクが上がります。
(日本歯科医師会雑誌vol.63 No9 2010-12より引用)
この図を見ても分かるように市販の飲料のほとんどが歯を溶かしやすいということです。
毎日ご飯を食べるときに飲むものとしてはジュースではなくお茶や麦茶、水などが良いでしょう。
また、私たちの口腔内は、絶えず唾液が流れています。この唾液が酸性に傾いた口腔内を中性に戻してくれています。食後、酸性に傾いた口腔内を唾液が中和し、傷づいた歯の表面を修復してくれているのです。これを再石灰化と言います。中性に戻るまで約20分~1時間ほどかかるといわれています。
1日の間に、食事の度に脱灰と再石灰化の状態が交互に訪れます。口腔内が中性の状態に戻る前にまた食事をしてしまうと、ずっと酸性の状態が続き歯が溶け、むし歯になってしまうのです。食事によって口腔内がどのようになっているのかを確認しながら食生活を送ることがとても大切です。
むし歯リスクを減らすには
①歯垢(プラーク)を減らすこと。=食べたらなるべく早くうがいや歯磨きをする。
食後にすぐ歯を磨くことで、酸を作り出す細菌そのものの数を減らすことができます。そのため、酸性の状態を早く中和しエナメル質の再石灰化を助けることができます。
②間食を減らし、だらだらと長く食べないこと。
食事と食事の間に頻繁に間食を摂ると、口腔内の酸性度が常に高い状態になりやすいため、間食の回数を減らることで、酸性度のピークを減少させ、むし歯のリスクを低く保つことができます。
③唾液を増やすこと
唾液には酸を中和する作用があるため、唾液腺のマッサージ等で分泌を促すのも良いでしょう。
の3つのポイントを実践し、むし歯のリスクを減らしましょう。
また、定期的な歯科検診もむし歯予防に欠かせません。
歯科医師や歯科衛生士が早期にむし歯を発見し、適切な治療を行うことで、さらにむし歯の進行を遅らせることが可能です。
白金いつき歯科では、患者様の口腔内の健康を最優先に考え、予防歯科を重視しています。また、ステファンカーブをご説明し、患者様に合わせたむし歯予防のアドバイスも提供致します。
お口の健康に関するご相談がありましたら、お気軽にご相談ください。
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