こんにちは。院長のいつきです。
ついに朝晩は少し肌寒く感じるようになり、秋めいた季節になってきたような気がします。ですが、日中はまだまだ暑いですので、皆さん体調に気を付けてお過ごしください。
今日は丁寧な歯科治療においてなくてはならないラバーダム防湿についてお話したいと思います。
ラバーダム防湿とは、治療する歯を唾液や細菌から隔離するためにゴムやビニール製のシートを用いる方法です。唾液や細菌が治療する歯に付着しないために、「治療する歯だけを隔離した治療空間を作る」ことで、治療中の歯が細菌感染することなく、安全に治療を進めることができるようになります。
主に虫歯治療や根管治療で用いられ、治療部位を清潔に保ち、細菌感染や器具の誤飲を防ぐ役割があります。
1864年NYの歯科医師Barnumにより適切な修復治療(虫歯治療)や根管治療のために考案され、現在も世界中の歯科医師にとってなくてはならない防湿法となっています。
しかし、ラバーダム防湿を使用している歯科医院は多くありません。それは、装着する際に時間や手間がかかることが原因です。
当院では、患者さんの安心・安全のためにラバーダム防湿を使用しています。
このラバーダム防湿のメリットをお話していきたいと思います。
①感染予防:治療対象の歯を唾液や血液などから隔離し、唾液中の細菌などから感染するのを防ぎ清潔な環境で治療できます。人間は口の中で大量のバイ菌と共生していると聞いた事がありますか??特に神経の治療の際、処置中に唾液が入ると一緒にバイ菌も入ってしまいます。その神経の管に混入したバイ菌が後々、神経の治療の成功率を下げてしまい、再治療のリスクとなってしまいます。医療先進国のアメリカでの話になりますが、ラバーダム防湿をせずに神経の治療をし、感染を起こした場合、裁判で歯科医師が負けてしまった事例があるほど、最近はなくてはならない手技だと言われています。当院も神経の治療の際は必ず使用しております。
②安全:日本語ではラバーダム防湿と言いますが、英語では『ruberdam isolation』と呼ばれております。『isolation=分離』です。唾液・血液などの液体を排除するだけでなく、“処置をする術野を口の中のその他の部位から分離”という意味が強いです。器具や薬剤、切削片などの誤飲・誤嚥を防ぐことができる。また、口唇や頬粘膜などの軟組織を排除・保護できる。一見すると患者さんの負担が大きそうで、始める前は嫌がる患者さんもおられますが、結果的に安全に処置することができ、何度もするうちに患者さんも慣れてそのまま寝てしまう方もおられるぐらいです笑。
③術野の防湿・乾燥:治療する歯を乾燥でき、より正確に治療を行うことができる。私はよく患者さんにこの様な例えをします。『雨の日にペンキを塗っても、あんまりペンキはつかないですよね。』歯科の治療も削ったトコロをレジンという、樹脂で接着させて治療を行います。このレジンも水分が天敵でいかに乾燥させるかどうかが、治療の予後を左右します。例え唾液が付かなくても、呼気中に大量の湿気を含んでいます。ラバーダム防湿で保護することで、湿気からも患部を守ってくれます。とても優れた手技だと思います。
④治療時間の短縮:術野を明視化でき、治療中の作業がスムーズに進みます。設置には少々の時間を要しますが、その後の治療の効率は格段にアップします。
ラバーダム防湿は、治療する歯を周囲の唾液や細菌から隔離し、湿気をコントロールする処置です。この防湿は、感染のリスクを減らし、治療の精度と効率を向上させます。
当院では、神経の治療の場合や自費診療の場合は、このラバーダム防湿を行っております。
歯に関して少しでも気になることがありましたら、いつでもお気軽に白金いつき歯科 矯正歯科までご相談ください。当院は、薬院駅から徒歩5分の歯医者です。
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