COLUMN コラム

2026.11.04

歯石は自分で取れる?歯磨きでは落とせない汚れの正体

こんにちは。院長のいつきです。

11月になり、朝晩の冷え込みに秋の深まりを感じる季節になりました。温かい飲み物が恋しくなったり、年末に向けて少しずつ身の回りを整え始めたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

お部屋の掃除や身の回りのお手入れをするように、お口の中もきれいに保ちたいものですね。

ところで、歯の裏側や歯と歯ぐきの境目に、白っぽいものや黄色っぽい硬い汚れが付いているのを見つけたことはありませんか? それはもしかすると「歯石」かもしれません。

歯石は歯磨きだけでは落とすことが難しく、放置すると歯周病の原因にもなります。今回は、意外と知られていない歯石の正体や、自分で取ることができるのかについてお話しします。

■ そもそも歯石って何?

歯石の正体を知るために、まず「歯垢(プラーク)」について説明しましょう。

歯垢は、歯の表面に付着する細菌のかたまりです。食べかすそのものではなく、細菌が増殖して形成したものです。歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間など、歯ブラシが届きにくい場所にたまりやすいという特徴があります。

この歯垢を十分に取り除かずにいると、唾液に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルと結びつき、少しずつ硬くなっていきます。こうしてできたものが「歯石」です。

つまり、歯石は歯垢が石のように硬くなったものなのです。

歯垢の段階であれば、毎日の適切な歯磨きや歯間ブラシなどで取り除くことができます。しかし、いったん歯石になると、歯の表面に強く付着するため、通常の歯磨きでは取り除けません。

歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着しやすくなります。その結果、細菌が増え、歯ぐきの炎症や歯周病を進行させる原因になってしまうのです。

■ 歯石は自分で取れる?

歯石が気になり、「自分で取れないかな?」と思ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。

インターネットなどでは、歯石を取るための器具が販売されています。しかし、自分で歯石を取ろうとすることはおすすめできません。

歯石は歯に強く付着しているため、無理に削ったり引っかいたりすると、歯の表面や歯ぐきを傷つけてしまうおそれがあります。また、歯石が歯ぐきの下に付着している場合、自分では見えにくく、取り残してしまうこともあります。

さらに、歯石だと思っていたものが、実は歯の表面の一部だったり、別のトラブルだったりする可能性もあります。

歯石を安全に取り除くには、歯科医院で専用の器具を使って処置を受けることが大切です。

一方で、歯石になる前の歯垢を毎日の歯磨きでしっかり取り除くことは、自分でできる大切な予防策です。歯垢を取ることと、歯石を作らないこと。この両方を意識していきましょう。

■ 歯石が付きやすい場所はどこ?

歯石は、お口の中のどこにでも同じように付着するわけではありません。

特に付きやすいのが、下の前歯の裏側と、上の奥歯の外側です。これらの場所には唾液が出てくる管の出口があり、唾液に含まれるミネラルの影響を受けやすいため、歯石が形成されやすいとされています。

鏡を使って確認すると、下の前歯の裏側に白っぽい、あるいは黄色っぽい硬い汚れが見つかることがあります。

ただし、歯石は歯ぐきの上に見えているものだけではありません。歯ぐきの中、歯の根の表面に付着する「歯肉縁下歯石」もあります。

こちらは外から見えにくく、歯周病が進行している場合に見つかることもあります。自分では気づきにくいからこそ、歯科医院での定期的なチェックが重要なのです。

■ 歯石を放置するとどうなるの?

歯石そのものが直接、歯を溶かすわけではありません。しかし、歯石の表面には歯垢が付着しやすく、細菌が増えることで歯ぐきに炎症が起こりやすくなります。

歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きのときに出血したりする場合は、歯肉炎などのサインかもしれません。

さらに歯周病が進行すると、歯を支えている骨が徐々に失われ、歯がぐらついたり、最終的には歯を失ったりすることもあります。

また、歯石が多く付着していると、口臭の原因の一つになることもあります。

「痛くないから大丈夫」「歯磨きで血が出るのは仕方がない」と考えてしまいがちですが、自覚症状が少ないまま歯周病が進行することもあります。気になる症状がある場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。

■ 歯石を防ぐために今日からできること

歯石をできにくくするために大切なのは、歯石になる前の歯垢を毎日きちんと取り除くことです。

まずは、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に当て、力を入れすぎずに小刻みに動かしましょう。特に歯石が付きやすい下の前歯の裏側や、歯並びが重なっている部分は、意識して丁寧に磨くことがポイントです。

歯ブラシだけでは汚れを落としきれない歯と歯の間には、デンタルフロスや歯間ブラシを活用するのも効果的です。自分の歯並びや歯ぐきの状態に合った道具を選ぶために、歯科医院で相談するのもよいでしょう。

そして、毎日丁寧に歯磨きをしていても、磨き残しを完全になくすことは簡単ではありません。歯石ができてしまった場合は、歯科医院で専門的なクリーニングを受ける必要があります。

■ 年末を迎える前に、お口の中も大掃除しませんか?

歯石は、一度できてしまうと毎日の歯磨きでは落とせない汚れです。しかし、歯垢の段階でしっかり取り除き、定期的に歯科医院でチェックを受けることで、歯石の付着や歯周病のリスクを減らすことにつながります。

11月は、年末に向けて少しずつ身の回りを整えていく時期でもあります。お部屋の大掃除を始める前に、ご自身のお口の中にも目を向けてみませんか?

「歯石が付いている気がする」「最近、歯ぐきから血が出る」「しばらく歯科検診を受けていない」という方は、この機会にぜひ歯科医院へお越しください。

歯石の除去だけでなく、歯ぐきの状態や磨き残しの確認、毎日のセルフケアについてのアドバイスも受けることができます。

いつまでも自分の歯で食事や会話を楽しむためには、痛みが出てから治療するのではなく、問題が起こる前から予防することが大切です。

今年のうちにお口の中をすっきり整えて、気持ちよく新しい年を迎えましょう。

白金いつき歯科・矯正歯科は、薬院駅から徒歩5分の歯医者です。

むし歯や歯周病の治療だけでなく、健康で美しい口元を維持するために定期検診とクリーニングを行っています。未来の自分の笑顔のために、ぜひ一度お口のチェックを受けてみてください。あなたの未来の笑顔を守る第一歩を、今日から一緒に始めましょう。

Instagramもしていますので、そちらの方もフォロー頂けますと幸いです。

shiroganeitsuki.dc